前回、銅と亜鉛を同時に補給したいんだけど…というDIを書きました。
銅の欠乏症は稀(あるとしたら亜鉛の取りすぎで起こることが多いです)なので、比較的お目にかかる亜鉛の欠乏症について調べてみました。
症状
皮膚炎,口内炎,脱毛症,褥瘡(難治性),食欲低下,
発育障害(小児で体重増加不良,低身長),性腺機能不全,易感染性,味覚障害,貧血,不妊症
皮膚科や内科の先生はよくご存じかと。
原因となりやすい疾患
肝疾患、糖尿病、慢性炎症性腸疾患、ネフローゼ症候群、腎不全、透析
腎不全の方は亜鉛の吸収が阻害されるのだと知れば、CKD(慢性腎不全)外来から亜鉛の補給について問い合わせがきたのも納得です。
透析患者さんのエリスロポエチン抵抗性貧血にも関与している可能性があるそうです。
疾患との関連を勉強したい方は低亜鉛.jpが参考になります。
亜鉛を低下させるお薬
亜鉛を低下させる薬は、どれも程度の差はあれキレート作用があり、亜鉛と結合して尿中排泄を増やしてしまいます。
当院でよく使われる薬だとL-ドーパの味覚障害の頻度が高いから覚えておこうかな。
亜鉛を多く含む食品
牡蠣、レバー、牛肉、うなぎ etc…
牡蠣はダントツです。でも季節問わずなら牛肉やレバーがお手軽でしょうか。
これらの内容や治療量については亜鉛欠乏症の診療指針に詳しく載っていますので、もっと勉強したい方はそちらをお読みください。
亜鉛欠乏症、意外と身近にあるのかもしれないと思いました。