ジャヌビア再開時に気になったこと

疑義照会したこと

ジャヌビアを服用中だった患者さんが胆のう炎になり、開腹オペで胆嚢摘出術を行いました。
オペのためにDM薬は中止となっておりましたが、数日経過し糖尿病内科の先生から「ジャヌビア再開してみる」との指示がありました。

本日の処方

ジャヌビア(50) 1錠分1 朝食後 7日分 (再開)

えーと、以前の量そのままかな?
再開しても問題ないかな?
確認しなくっちゃ。

薬剤師の記録をさかのぼってみると
「DPP4阻害薬の長期使用で胆嚢炎のリスク増大」と記載あり。
おおぅ、知らなかったです。

これに関しては「DPP4 胆嚢炎」で検索してもでてきますが、長期(26週以上)の服用で胆嚢炎のリスク増加が優位にみられ、SGLT2阻害薬に比べてリスクが高かったが、GLP-1受容体作動薬とは差がなかったというものです。
(インクレチンは食後の胆嚢の運動に影響するので懸念されてこれまでも研究がおこなわれていたそう)
この患者さんはすでに胆嚢摘出術を済ませており、今回再開するにあたっては気にしないことにします。

それよりも気になったのが、添付文書のこちらの記載です。

  1. 9.1.2 腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者腸閉塞を起こすおそれがある。[11.1.8 参照]
ジャヌビア添付文書より

以前にこの糖尿病内科の先生から叱られたことが頭をよぎります…。
イレウス起こすような方にビクトーザ再開したらダメでしょ

ビクトーザはGLP-1受容体作動薬、ジャヌビアはDPP-4阻害薬どちらもインクレチン関連薬なので…先生は開腹OPE後ということはご存知で、腸閉塞のリスクもご承知の上で再開されていると思うのですが…ですがですがモヤモヤ。

しばらく逡巡しましたが、再開のいま確認しておくのはタイミング的にいいし、この方は回復期リハビリ病棟へ移ってしまい薬剤師の目が届きにくくなることもあり、先生にお電話して伺ってみました。
すると

DPP-4阻害薬は腸閉塞のリスクがそんなに高くないから再開していいですよ。
GLP-1受容体作動薬の方がより注意が必要だと思います。

というご返答でした。
(先生はもうちょっと何かお話してくださったのですが、電話の声が小さくて…ほぼ聞こえず。
ションボリ。電話あるあるです。)
とにかく、先生の意図が確認できたので良しとします。
再開調剤して、今後は高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常(腸閉塞の兆候)が認められないか経過観察を忘れないようカルテに記載しておきました。

DPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬の腸閉塞のリスクの差は調べられていません。
どなたか調べたら教えてください(*´з`)

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