甘草の1日上限量っていくつ?

見聞きしたこと(勉強)

持参薬の継続指示があったのですが、お薬手帳の通りにすると甘草が多いなーと思われる方がいらっしゃいました。甘草による偽アルドステロン症って有名ですよね。
ちょっと見てみましょう…。

持参薬の処方内容(すべてツムラ)

・補中益気湯 7.5g分3
・葛根湯 7.5g分3
・芍薬甘草湯 7.5g分3

含有される甘草の量としては次のようになります。

・補中益気湯 7.5g中に 1.5g
・葛根湯 7.5g中に 2.0g
・芍薬甘草湯 7.5g中に 6.0g

3種類とも飲んだら1日量の合計が甘草9.5gですね。ちょっと多いような。
そこで甘草の上限量はいくつだったかな…と思って調べてみたら、うーーん。
あれ?現在は上限量は定められていない…?
古い資料だと甘草5g(グリチルリチンとして200㎎)だとか、いやいやそれは廃止されて7.5g(グリチルリチンとして300mg)だとか、そんな記事がでてきますので、そのくらいの量になってくると多いなって感覚でいいのだと思います。
しかし、それを超えたら必ず偽アルドステロン症が発症するっていうものでもないし、少ない量でも偽アルドステロン症を発症することがあったため、甘草の1日上限量としてはっきり定めないようになったようです。それよりも、甘草を含む漢方薬同士の併用や、その他の甘草やグリチルリチンを含む薬(SM散、グリチロン錠、ネオファーゲンC、市販の風邪薬、健康食品、リコリス菓子など色々)、低カリウムを招く薬(インスリン、ステロイド、チアジド・ループ利尿剤など)の併用が誘因となるので気を付けよう、という考え方をするようです。
ちなみに女性・3か月以内・低カリウムから発見というパターンが多そうでした。

甘草と低カリウム血症に関しては、日本漢方生薬製剤協会のこちらがとっても詳しくまとめられています。
1日量として甘草を2.5g以上含有する製剤にはみんな、禁忌としてアルドステロン症、ミオパチー、低カリウム血症が記載されているんですね。知らなかった。

そもそも昭和53年にはすでに「グリチルリチン酸等を含有する医薬品の取扱いについて」という題で当時の厚生省薬務局長から注意喚起がされていて、これを見るとほんとに昔から問題になっていたんですね…。

厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル」でも掲載されています。

日病薬のHPから見られるプレアボイド広場にも載っていました(コチラ)。
偽アルドステロン症についても分かりやすい症例報告はコチラにも。
併用薬の注意についてはコチラが参考になりました。
色々なサイトで詳しく取り上げられていますので、偽アルドステロン症について知りたい方は、リンク先をご覧になってください(^_-)-☆

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ちなみに今回の患者さん。
まだ入院されたばかりだったのですが、病棟担当薬剤師がご本人に話を聞いてきてくれました。
ご自宅では3剤とも頓服で服用されていたそうです。よかった~。
病棟担当薬剤師の方々、本当にいつも頼りになります。有難うございます!

芍薬甘草湯などは即効性もあるので頓服がいいですね☆

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余談ですが…病棟1年目のレイレイも漢方3剤を見てピンときてたそうです。
「なんで知ってたの?」
「先輩が時々中止にしてるのを見てましたから。」
先輩の後ろ姿をよく見てるのね、と思った症例でした。

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