しまっちが「DOACを飲んで血をサラサラにしている人にトラネキサム酸の説明をする時って、ちょっと悩むんですよね~」みたいなことを話してくれました。
そもそもトラネキサム酸をどうして飲むのか、私は知らなかったので教えてもらいました。
いつも教えてくださって有難うございます!
しまっちが教えてくれたのは「大動脈瘤のステント」「エンドリーク」。
エンドリークもなんだべさ?ということで大動脈瘤・大動脈解離診断ガイドラインや他の病院のHPなどで調べてみました。
大動脈瘤の治療において、人工血管置換術よりも侵襲が少ないステントグラフト治療がある。
鼠径部からカテーテルでステントグラフト(形状記憶合金と人工血管で作られた筒のようなもの)を瘤のところまで持っていって血管内を内張りし、その中に血液を通すことで瘤への圧力を軽減し破裂を防ぐ。
そのステントグラフト治療に特有の副作用でエンドリークというものがある。
エンドリークとは、瘤への血流が残ってしまう(造影剤が漏れだすことで確認できる)ことで、治療後も動脈瘤が大きくなることがあり、追加治療が必要になる。
エンドリークいろいろ↓
動脈瘤から出ていた小さな血管から動脈瘤内に血流が入り込むタイプⅡのエンドリークが一番多くなるんだそう。
で、そのエンドリークの抑制のためにトラネキサム酸が有効なんだとか。
文献はこちら。
要約を要約すると…
- ステント後は動脈瘤の急激な血栓化により線溶系が亢進する
- トラネキサム酸投与群ではフィブリノゲンが高値(消費が抑制されている)
- トラネキサム酸投与群ではFDPの再上昇が抑制(線溶系の亢進がなく6か月持続)
つまりは術後の線溶系亢進を抑えて止血効果を発揮する。
…で、合ってますかね?
違ってるところがありましたらお問い合わせフォームからお知らせくださいな。
トラネキサム酸についてもっと知りたい方は血栓止血の学会誌記事もどうぞ。
※記事修正:リンク切れ修正しました(2024/8/30)