薬剤部内勉強会のまとめです。
ベリキューボ錠 2.5㎎ 5㎎ 10㎎
ざっくりいうと、HFrEF患者において、心血管死または心不全による初回入院を減少させる薬だそうです。
(VICTORIA試験のエンドポイントがそこ)
効能又は効果
慢性心不全
ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。
→ACE阻害剤/ARB、β遮断薬、MRAによる薬物療法を受けている患者さんに追加して使います。
ちなみにHFrEF(左室駆出率が低下している)患者が対象です。
用法及び用量
1回2.5㎎を1日1回食後投与から開始して2週間間隔で1回投与量を5㎎及び10㎎に段階的に増量する。なお、血圧等患者の状態に応じて適宜減量する。
用法及び用量に関連する注意
血圧が低い場合には「7.用法及び用量に関連する注意」に表が載っていますので、この通りに調整しましょう。
作用機序
cGMPの産生を増加させ、心不全の進行を抑制します。動画で見た方が、よく分かると思いますので興味のある方は↓をご覧ください。
併用禁忌
可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬
- リオシグアト(アデムパス)
禁忌の理由は、同じ効果のお薬なので、cGMP濃度が増加し、降圧作用を増強するおそれがあるから。
併用注意
PDE5阻害剤
・シルデナフィルクエン酸塩等
硝酸剤及びNO供与罪
・ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等
併用禁忌と同様に、降圧作用を増強するおそれがあるとのことです。
Q&A
説明をしてくださったバイエル薬品の方に質問してみました。
質問1.一包化、粉砕、簡易懸濁は可能ですか?
返答1. 一包化OK
(IF p.10 製剤に関する項目)
粉砕しても湿度・光に安定、薬物動態が同程度
(IF p.71 調剤・服薬支援に際して臨床判断を行うにあたっての参考情報)
簡易懸濁 8Fr通過、懸濁後24時間安定
(IF p.71 調剤・服薬支援に際して臨床判断を行うにあたっての参考情報)
質問2.一旦休薬したのちに再開する場合は、用量はどうしたらよいのでしょう?
返答2. 治験時の基準に従ってください。
10㎎を中断した場合)
・5日を超えて中断…2.5㎎から再開
・5日以内の中断…5㎎から再開
5㎎を中断した場合)
日数の規定なし…2.5㎎から再開
(IF p.22 治療に関する項目)
質問3.血圧が低く、5㎎に増量できない人はどうしますか?
返答3. 2.5㎎でも全く効果がないわけではありませんが、可能な限りは増量してください。
無理やり半錠にして1.25㎎はちょっと…2.5㎎で血圧が下がりすぎるなら中止がよいかと思います。
質問4.増量していく段階で2週間待たずに1週間で上げていってもいいですか?
返答4.第一相臨床試験において、投与7日で血管拡張の代償と思われる頻脈がみられています。14日では戻ったので、14日空けるように指定されました。そういう訳で、2週間間隔で増量というのは守っていただきたい。血圧が高いからといって、1週間で増量してしまうとかはやめてください。
みんなからでた質問は、実際に使うときの先生とのやり取りを想定したような内容でしたね。使い方のイメージがわきました。
以上、お昼の勉強会の内容でした~。