トアラセットに吐き気止め

提案

しらたま「先生、トアラセット初めての方に吐き気止め(ドンペリドン)をお勧めしてるんですけど」

N先生「えっ、ぼく初めて言われたよ。薬剤部で決まってるの?」

しらたま「いえ、決まってるわけではありませんが。飲み初めに吐き気が出る方がけっこういらっしゃるので2週間くらいつけてもいいかと思いまして」

N先生「つけていいですよー(^^)/」

疑義照会はタイミングが良ければ先生お話してくれますよね。でも色々と聞き返されるとドキドキしちゃったりして。

昔、整形の担当薬剤師に「けっこう吐き気が出る人多いので、初めての人には勧めてください」と言われたことがあります。私、それ以来ずっと素直にお勧めしてたんですよ。
でも電話を切った後、①2週間は多かった?勧めなくてもよかった?と改めて考えました。

検索してみると「服用開始後3~7日で耐性ができて、軽減することが多いため、通常は1~2週間後には制吐薬はストップされる傾向にあります。」と出てきます。

トアラセットの指導箋をみてもそんな感じで書いてありました。

もうちょっと根拠が欲しいなと思い、先発トラムセットのIFを見ました。(一部抜粋)

1週2週3~4週5~12週13~24週
被験者数190172166151128
悪心(%)79(41.6)5(2.9)10(6.0)14(9.3)8(6.3)
嘔吐(%)57(30.0)5(2.9)7(4.2)7(4.6)6(4.7)
(トラムセット配合錠IF 表Ⅷ-1 国内長期投与試験における時期別有害事象発現割合)

あれ、1週間で治まってますね。2週目になると激減してるじゃないですか。

オピオイド鎮痛剤の副作用として、悪心、嘔吐、便秘が高頻度に認められる。本剤の国内臨床試験において、悪心41.4%(248/599例)、嘔吐26.2%(157/599例)、便秘21.2%(127/599例)の副作用が認められた。これらの副作用がみられた場合には、制吐剤、緩下剤を併用するなど、適切な処置を行うこと。なお、国内長期投与試験において、これらの有害事象は特に投与開始初期に多く発現したが、経時的に減少しており(表Ⅷ-1)、55.9%で処置なく投与継続が可能であった(表Ⅷ-2)。
また、外国臨床試験において、トラマドールの投与を少量から開始し徐々に増量することで、忍容性を向上させることが報告されている52)

トラムセット配合錠IF 重要な基本的注意とその理由(解説8.3)

吐き気が出てから対処でもいいような書き方ですね。
でも、普通の痛み止めじゃ効かない痛みがあって薬飲んでるのに、なんだか吐き気までもよおしてきたら、不安になりませんか…?ゲロゲロ具合悪いよ~って、私なら「やだー」ってなりそうデス。やっぱり自分なら最初から出してほしいかも。
期間は1週間だけでよかったように思いました。

もう一つ、この患者様、実はなかなかの高齢者でした。
1日2錠とか少量から開始をした方がよかったかもしれないです。副作用出ないといいなー。

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