入院されて「持参薬全て継続」という医師指示がきました。
朝分からなので急いでせっせと準備しようとしたら、のりちゃんが「絶食だからリオナは不要ですかね?」と声をかけてくれました。
作用機序が「消化管内での食事由来のリン酸を鉄と結合させて難溶性の沈殿(リン酸第二鉄)を形成させることで,リンの消化管吸収を抑制するリン吸着薬」なので、しばらく絶食が予想されるこちらの患者さんではたしかに不要そうです。
添付文書を見てみました。
特定の背景を有する患者の欄に、次のような記載もありました。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 消化性潰瘍,炎症性腸疾患等の胃腸疾患のある患者
病態を悪化させるおそれがある。
一般に鉄剤は胃腸障害を起こしやすいと言われているので、既存の経口鉄剤でも慎重投与となっています。リオナの臨床試験でも消化性潰瘍や慢性潰瘍性大腸炎等の胃腸疾患を合併している方は除外したそうです。
下血の原因まだ不明だし、やめとこ、やめとこ。
(このあと先生に上申してリオナは中止へ)
さらに添付文書を見ていて気になったことが…
あっ、そうだ。鉄欠乏性貧血が効能追加になってるんだった!
2021年3月に追加になって、知ってたはずですが、日ごろ貧血に対する処方で見ていないのですっかり忘れていました。貧血だと1日1回(2回まで可)と、用法が異なるのでしっかり覚えておかなくちゃ。
ネーミングからして「リンを治すriona」だから、つい高リン血症に頭がいってしまうんですけどね。
※初回投稿 2022/4/6
※リンク切れ削除 2024/9/4