歯肉の肥厚がある高血圧の薬ってなんだっけ?

医師から聞かれたこと
脳外科H医師
脳外科H医師

歯肉の肥厚がある高血圧の薬ってなんでしたっけ?
前に聞いたことあるんだけど、忘れてしまって…

カルシウム拮抗薬ですかねー?

あぁ、そうでした!

お薬は、何を飲まれているんですか?

アムロジピンとテラムロAPです。

(どっちにもアムロジピンはいってるやん…)

デラムロの中にもアムロジピンが含まれているので、両方ともやめた方がいいですね

なーんていう問い合わせが、外来中の先生からありました。
外来ではいろんな症例をご覧になっているのでしょうね〜。

さてさて、歯肉増殖といえば、カルシウム拮抗薬(20%)の他に抗けいれん薬のフェニトイン(50%)も有名ですね。それから免疫抑制剤のシクロスポリン(成人で25~30%、子供で70%以上)も有名だそうです。

発生頻度は研究により様々ですが、カルシウム拮抗薬の中でもニフェジピン(15~20%)で特に多いようで、アムロジピン(1.7~5%)は少ないようです。
(※この数字たちはあちこちから拾ってきたので参考程度に思ってください)
参考文献を一つ貼っておきます(カルシウム拮抗剤性歯肉増殖症の基礎と臨床)。

歯医者さんのサイトでもよく取り上げてるので、歯医者を受診した際に歯肉肥厚を指摘されて、病院の先生に伝える~という感じなのでしょうかね?

歯肉肥厚による弊害↓

  • 歯周ポケットが深くなり歯周病が悪化する(歯が抜けちゃうことも!)
  • 見た目が悪くなる

今回は降圧剤だったので代わりがいくらでもあると思い「やめた方がいい」と簡単に答えてしまいましたが、抗けいれん薬や免疫抑制薬だとそうそう簡単に変更できないですよね。

歯肉の増殖は薬の服用量や期間との関連ははっきりしていないけれど、プラークコントロールとは関連があるそうです。つまり、予防的にしっかりブラッシングしていれば腫れない…薬を変更しなくても治る、と。(こちらの歯医者さんもハッキリ仰ってます)

ちなみに飲み始めて1-3か月で起きることが多い副作用で、休薬すると1-2か月で回復に向かうのだそうです。(参考:EPARKアムロジピンの副作用

もともと歯肉炎があったり糖尿病の既往があると発生頻度が高まります。
糖尿病×ニフェジピンの方の服薬指導に、丁寧なブラッシングやプラークコントロールのお話を追加してみてはいかがですか?

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