ネフローゼに使う薬、なんだっけ?
…???
ホラ、尿蛋白とかでさ
ペルサンチン…?
そうそう!ペルサンチン!ありがとー
っていうお電話が外科外来からありました。
本格的なネフローゼの治療は腎臓の先生がされると思うので、外科の先生はお試しで尿蛋白の改善
効果がある薬を使いたい、昔使ったあの薬なんだっけ思い出せない…っていう感じでした。
最初に聞かれた「ネフローゼの薬」は漠然としていて(-_-;)
ネフローゼ症候群の定義↓
ネフローゼ症候群は,腎糸球体係蹄障害による蛋白透過性亢進に基づく大量の尿蛋白漏出と,これに伴う低蛋白(低アルブミン)血症を特徴とする症候群である.ネフローゼ症候群では腎機能障害(慢性腎臓病および急性腎障害)の他,蛋白喪失に伴う合併症として浮腫,脂質異常症,血液凝固異常(血栓傾向),内分泌異常,免疫不全,易感染性などさまざまな病態を合併する.
エビデンスに基づくネフローゼ症候群診療ガイドライン2020
ネフローゼのメインの治療はステロイドや免疫抑制薬で、他の様々な病態に対し利尿剤、高脂血症薬、抗血小板薬、抗凝固薬も使われますが、難しすぎてここでは触れません( ̄▽ ̄;)
今回は「尿蛋白」がキーワードでしたので、適応がある薬として次の2つがあります。
ペルサンチン錠(成分ジピリダモール)(小さい規格には適応なし)
ステロイドに抵抗性を示すネフローゼ症候群における尿蛋白減少
コメリアンコーワ錠(成分ジラゼプ)
腎機能障害軽度~中等度のIgA腎症における尿蛋白減少
でも最近は以前ほど処方見ないような気がしてます。(うちの診療科が変わったせいかな…?エビデンス?)独り言。
この他にも、今回聞かれた趣旨とは異なりますが、RA系阻害薬(ACE阻害剤とARB)は尿蛋白を減少させる効果があり、慢性腎臓病の降圧に推奨されています。覚えておくといいかも!
→参考:CKD診療ガイドライン高血圧編、高血圧とCKD