腸溶錠だけど腸じゃない(サラゾスルファピリジン適応症ちがい)

失敗から学ぶ

ハイ、大事な事なので憶えてください。

腸溶錠だけど腸じゃない」今回のキーワードです。

これは外来処方と院内調剤の狭間で起こってしまったミスです。私も新人の頃とても紛らわしいと思っていた薬なので、共有するために記事を書きます。

処方

外科)サラゾピリン錠500mg 3錠分3

ある日、発熱外来を受診して感染防止のために調剤薬局へ行けないので、院内からお薬をお渡しする事になりました。

外来から院内処方への切り替えを依頼された薬剤師が、院内で出せる採用品へ処方を入力し直したのが下記の内容です。

打ち換え後の処方

院内処方)サラゾスルファピリジン腸溶錠500mg 3錠分3

院内の採用にサラゾピリン錠が無かったので3文字入力で「サラゾ」って打ったらこうなっちゃったのかな。腸溶錠になっていますね。

外科で処方されるサラゾピリン錠は古くからある素錠で、適応は潰瘍性大腸炎などです。しかし腸溶錠の方は胃腸障害の副作用を減らすために腸溶性にしたもので、成分は同じでも適応は関節リウマチです。先発はアザルフィジンEN錠。ENは腸溶剤であることから、enteric(腸の) の最初の 2 文字をあらわしています。ハイ、ここでもう一度「腸溶錠だけど腸じゃない」憶えましたか?

サラゾピリン錠

一般名:サラゾスルファピリジン錠
効能・効果:潰瘍性大腸炎、限局性腸炎、非特異性大腸炎
用法・用量:1日2~4gを4~6回に分服する。症状により初回毎日8gを用いても差し支えない。この場合3週間を過ぎれば次第に減量し、1日1.5~2gを用いる。etc…

アザルフィジンEN錠

一般名:サラゾスルファピリジン腸溶錠
効能・効果:関節リウマチ
用法・用量:1日1gを朝夕の2回に分割投与する。

腸溶錠が分2じゃなかったところで監査者も確認できたらよかったですね…。

以下はアザルフィジンENの開発の経緯(IFに載ってます)を読んでの私の妄想です。
当時の研究員さんたちこんな会話したのかなぁ~
「やったー。腸溶錠の開発が完成したぞぅ!」
「リウマチの治療薬として開発したから、もちろんリウマチの適応を取得するぞ。」
「ねぇねぇ、同成分で潰瘍性大腸炎の薬もあるけど、適応追加で取得する?」
「えー…、臨床試験とか大変だし…、とりあえずはリウマチだけでいいんじゃない?」
なーんて会話があったりして、…と勝手に妄想して、とにかく効能効果の違いを憶えるのでした。

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