できる看護師さんがフェジンの副作用を未然に防ぐ

看護師から聞かれたこと

看護師さん「注射のオーダーが入りましたので調剤お願いします!」

しらたま「はい、分かりました。」

看護師さん「あっ、フェジンて生食だめですよね?ちょっと待ってください。」

(…『せんせーい、フェジンの生食を5%Gluにしていいですかー?』…)

看護師さん「お待たせしてすみません。フェジンの生食を5%ブドウ糖にして調剤お願いします。先生の許可はとりました。」

パチパチパチパチ…拍手〜!

何も言ってないのに、看護師さんがテキパキと疑義照会を済ませてくれました。すごい!できる看護師さん‼︎

フェジンはコロイド性の製剤であり、生理食塩液など電解質を含む注射剤で希釈するとコロイドの状態が保てなくなります。遊離した鉄イオンが発熱、悪心、嘔吐などの原因になることも懸念されるため、必要時にブドウ糖液で希釈するべきです。

月間薬事2019 Vol.61 No.14 10月臨時増刊号 想定問答集151 P341

よく処方される先生はフェジンの希釈はブドウ糖がいいってご存知ですが、慣れていない先生はペロッと生食で出すこともあります。

吐き気がでたりすると可哀想なので、大抵は疑義照会してブドウ糖に変えてもらいます。一応内規で「直前溶解」とすれば生食でも可となっています。

でもやっぱり理由を知ればブドウ糖にしようって思いますよね。もし理由を知らない先生に出会ったなら、ぜひ理由を教えてあげて、繰り返さないようにしましょ。

間違えた処方を見慣れると「前にもあったからいいや〜」ならまだしも、普通に正しいと思ってスルーしてしまうようになるのが怖いのです。

本剤を希釈する必要がある場合には、通常、用事10~20%のブドウ糖注射液で5~10倍にすること

フェジン添付文書

ちなみに、実際の現場では等張の5%ブドウ糖液(保険適応外)がよく用いられます。希釈後72時間まで不顕性微粒子の顕著な発生を認めず、安定性は保持されることが示唆されているそうです。

今回は、できる看護師さんに拍手を贈りたい話でした。

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2021/11/21追記

日医工が安全喚起の文書を出していました(コチラ)。

脳外科のO先生はあえて生食で処方していることがありました。
糖尿病のコントロールがとても悪くてねぇ…。あえて生食なんですよ。」
「分かりました!看護師さんに直前溶解でやってもらいますね。」

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