本態性振戦にインデラル

医師から聞かれたこと

2年目薬剤師のayaちゃんが病棟から調剤室に電話をかけてきました。

先生から聞かれたんですけど・・・
本態性振戦に使える薬ってうちにありますか?

ayaちゃんは本態性振戦の薬を自分で調べてみたけど、うちの在庫に無さそう…ということで電話をくれたのでした。

本態性振戦に保険適応が通っているのは、唯一「アロチノロール」だけ。
他に使うとしたら別のβ遮断薬か抗てんかん薬か抗不安薬でしょうか、とのこと。

うーん、昔なにか使った覚えがあるぞ?

あ、インデラル!

ふと昔使った記憶が蘇り、劇棚からインデラル君を取ってきました。
インデラルが使えるんじゃない?うん、使える。

日本神経治療学会のHPに、インデラル(Propranolol)を含む薬剤の種類と大体の量の記載がありますが、無断転載禁止だったので覗きに行って下さい。→こちら

アストラゼネカの適応外要望に対する企業見解(こちら)には次のように書かれていました。

インデラル
経口、10mg~30mg/日。1 日に 2~3 回に分割投与する。
なお、年齢、症状によって適宜増減する。

米国等では初回から40㎎1日2回などで承認が通っているようなのですが、日本の通常使用量より高量だったりするので、実際の使用は低用量から慎重に投与が必要です。
今回の患者様においても医師が徐脈にならないか心配されていたとのことです。

病棟担当薬剤師ayaちゃんが先生と相談して、少量から処方が開始となりました。

処方

インデラル錠(10)1錠分1 朝食後

その後振戦は軽減し、徐脈になることもなく退院されていったそうです。

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