モイゼルト軟膏勉強会

見聞きしたこと(勉強)

薬剤科で行われた大塚製薬の勉強会に皮膚科の先生も参加してくださったので、いつもと違う感じのお話も伺うことができました。

アトピー性皮膚炎のファーストラインのひとつに~ということで、2022年6月に販売開始された軟膏です。
成分名はジファミラスト。効能効果は「アトピー性皮膚炎」です。
0.3%は小児用で1%が成人用ですが、症状に応じて小児も1%製剤を使うことがあります。
用法は1日2回。

大塚製薬の徳島研究所で開発されたそうで「徳島県産です!」って仰ってました(笑)

作用的には、PDE4阻害剤であり、サブタイプB(PDE4B)を選択的に強く阻害することで抗炎症作用に特化しています。そして分子量500未満と小さいことで皮膚にしっかり浸透し、親水性の工夫をすることで血中への移行を少なくし、全身移行のリスクが低い軟膏という特徴があるそうです。

以下、MRさんと皮膚科先生が仰っていたことから抜粋です。

皮膚科医
皮膚科医

プロトピック軟膏だと刺激が強いけど、モイゼルトは少なくて使いやすいですね。

皮膚科医
皮膚科医

びらん面には使えない※1ので、ステロイドでちょっと良くしてから使うといいかなと思っています。

※1…モイゼルト軟膏「適用上の注意」
   粘膜、潰瘍、明らかに局面を形成しているびらん等への塗布は避けること。

MR
MR

コレクチム軟膏とプロトピック軟膏は5g制限※2があることから、コレクチム軟膏は顏、モイゼルト軟膏は体に処方するという先生もいらっしゃいます。
モイゼルト軟膏は体表面積で処方できます※3ので。

※2…コレクチム軟膏、プロトピック軟膏「用法及び用量」
   1回の塗布量は5gまでとする。

※3…モイゼルト軟膏「用法及び用量に関連する注意」
   皮疹の面積0.1㎡あたり1gを目安とすること。

MR
MR

埼玉県は1回100gルールがありますから。

皮膚科医
皮膚科医

ステロイド軟膏を1回400g処方したら保険が切られたことがありますわ。…オホホ。

皮膚科医
皮膚科医

JACK阻害剤(コレクチム軟膏)との使い分けはまだ分からないわねぇ。

MR
MR

モイゼルトは2022年6月に発売されたばかり。コレクチム、プロトピックのとの使い分けは明確には出ないかもしれませんが、ステロイドの強さを上げたくないからモイゼルトを使う先生もいらっしゃいますね。ステロイドだと皮膚も薄くなってしまいますしね。

さてさて、こんな感じのワイワイした勉強会でしたが、MRさんが何度も口にされた「リアクティブ療法」と「プロアクティブ療法」という方法が印象に残りました。
この方法は何年前から一般的になっていたのかな~?うちの子がアトピー発症した時(もう15年前か⁉)は、症状が治まったらステロイドをやめて、ぶり返すのは仕方ないことだと思っていましたよ。
湿疹が消えてきれいになった子供の肌に、さらにステロイドを塗ろうって思わなかったなぁ…。
今は、間隔を空けながらステロイドやほかの抗炎症外用剤を継続することがガイドラインでも推奨されています。薬剤師もその辺をきちんと指導できるといいですね!

アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2021

今回のお勉強は、これでおしまいです。

MRさんが置いていってくれた試供品(基材のみ)を、なおさんがハンドクリーム代わりに使ってた…(笑)ちなみにちょっとベタベタします。

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