循環器Na医師
チャンピックス、処方できる?
という外来からの問い合わせに対して「お薬のマスターが無いから入力できないのかな?」と思い「手書きで出して、あとカルテに書いておいてくださぁい」とお返事…
ブッブー✖️
チャンピックスやニコチネルTTSといったニコチン依存症治療薬は、今日の治療薬を開くと「健保等一部限定適用」と書いてあります。これは条件付き保険適用ってことですね!
先生がどんな意図で、処方できるか聞いてきたのか分かりませんが、これは特別な対応が必要な事例でしたね。当院では少なくとも保険診療での処方はできません。
さてさて、どんな条件があるかみていきましょう↓
施設基準
1. | 禁煙治療を行っている旨を保険医療機関内の見やすい場所に掲示していること。 |
2. | 禁煙治療の経験を有する医師が1名以上勤務していること。 |
3. | 禁煙治療に係る専任の看護師又は准看護師を1名以上配置していること。 |
4. | 禁煙治療を行うための呼気一酸化炭素濃度測定器を備えていること。 |
5. | 保険医療機関の敷地内が禁煙であること。なお、保険医療機関が建造物の一部分を用いて開設されている場合は、当該保険医療機関の保有又は借用している部分が禁煙であること。 |
6. | ニコチン依存症管理料を算定した患者のうち、喫煙を止めたものの割合等を、別添2の様式8の2を用いて、社会保険事務局長に報告していること。 |
対象患者
以下のすべての要件を満たす者であること
1. | ニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)で、ニコチン依存症と診断されたものであること。 |
2. | ブリンクマン指数(=1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上の者であること。 |
3. | 直ちに禁煙することを希望している患者であること。 |
4. | 「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療について説明を受け、当該治療を受けることを文書により同意している者であること。 |
施設基準を満たした保険医療機関で、患者基準を満たした患者さんは、保険が適用されます。
当院はむかーし、U先生が禁煙外来をやっていらしたのですが、先生の退職後はもう基準をみたしていないし禁煙外来もやっておりません。ですから当院からは保険診療で出せません。
自由診療になります。
近所でどこの病院が禁煙治療をしてるかなーと思ったらコチラから検索できます。禁煙学会のHPです。
そして知らなかったけれど、チャンピックスは、そもそも今、世界的に出荷停止になってるんだそうです。(お知らせ)
1年以上たってもまだ再開せず、禁煙学会のHPでも「チャンピックス欠品をどうのりきるか」というコーナーも設けられていました。昔はたばこ税の増税で新規患者が急増し供給が追い付かないなんてこともあったようですし、市内でも禁煙外来をやってる病院がいくつもありましたし、けっこう需要があるお薬なんですね。
今日のお勉強でした。