バルプロ酸の注射ある?

医師から聞かれたこと

F医師「バルプロ酸錠が飲めなくなってきちゃって…バルプロ酸の注射ってある?」

しまっち「バルプロ酸の注射製剤はないですね。注射でしたらイーケプラ注ですかね…(アレビアチンは使いにくいしなぁ)。あとは経管でいけるならバルプロ酸細粒がありますが、いかがですか?」

F医師「もうあまり…な方だから、管を入れる予定はないんだけど、ちょうど今日ご家族にICがあるから検討してみます。どうもありがとう」

ある朝の、お医者さんからのお電話によるお問い合わせでした。

ちなみに、アレビアチン注は頻繁に発作を起こしているような痙攣リスクが高い場合に使われますが、念のため…という予防では使われないと思います。

アレビアチン注は強アルカリ(pH12)静脈炎を起こしやすいし、1ml/分を超えない速度でないといけない(つまり1Aは5mlだから5分以上かけて静注)とか、希釈しようにもpHが下がると結晶が析出してしまうとか(経験や文献から生食100まで許容範囲っぽい)、除脈の人は心停止する恐れがあるとか、ちょっと扱いづらい印象の薬です。

だから、しまっちはアレビアチン注のことは言わなかったのですね。

昔は「アレビアチン1A+生食20ml 5分以上かけてiv」なんてハンコを作るくらい処方出てたけど、今は良い抗けいれん薬が他にあるので、出番がなくなっちゃいました。

アレビアチン注で心停止起こした患者さんも実際にいましたし…ちょっとこわい。

後日談…結局胃管を入れてバルプロ酸細粒になったようでした。

タイトルとURLをコピーしました