硝酸銀にやられました…

失敗から学ぶ

【※2022/9/28追記しました】

外来の看護師さんが、期限切れになった硝酸銀水溶液を持ってきました。
「これ、廃棄お願いしまーす」って。

思わず素手で受け取りました。遮光袋がかかっていたので、ぺろっとめくって中身を確認してそのまま医療用廃棄物へポイっ。

その時私の脳内では「アビーが先週新しいの作って出してたな…」「手が黒くなるから手袋を…って話したな」って思い出してました。

そして翌日。

指先に茶色のシミが浮き出てきました(涙)

手を洗っても落ちないから「?」と思い、昨日の光景がフラッシュバックしました。

硝酸銀‼︎

瓶の周りに付着してたのね。

硝酸銀は不良肉芽を焼くのに使われたり、イボを焼いたり、爪に印をつけるのに使ったり…皮膚を弱く腐食するらしいです。このシミは皮膚が新陳代謝するまで消えないんだろうなぁ(-_-;)
皆さんは返却受け取り時も手袋してくださいね。

ちなみにアビーも手袋してたのにちょこっと手について黒くなったって!そして1週間で薄くなってた~

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【2022/9/28追記】
硝酸銀の特性や、当病院で使われている濃度を覚え書きしておこうと思います。
だいぶ前に硝酸銀棒の販売がなくなったし、粉を溶かして作る溶液もそのうち使われなくなるかもしれないけど…。そして出典元も分からないので、参考までに。

硝酸銀:AgNO3《医薬用外劇物、危険物第1類》

  • 無色の固体で、水によく溶ける
  • 光に当たると分解する。褐色瓶に入れて密栓し、冷暗所で保存する。
  • 塩化物イオンClを含む水溶液(食塩水など)に硝酸銀水溶液を加えると塩化銀AgClの白い沈殿が生じる。水中の塩化物イオンの定量に用いる。
    Ag+Cl→AgCl↓
  • 可燃物と混合しない。強熱すると有害な煙霧及びガスを発生する。
  • 用途:分析試薬、写真乾板の製造、外用消毒薬
  • 廃液は重金属イオン溜めに捨てる。

↑処置後に生食で洗う方法もあるらしく…(^^ゞ手に付いた時も生食で腐食の進行を止めたらよかったのかもね(^^ゞ

診療科別 硝酸銀溶液の濃度 (冷暗所保存)

耳鼻科

5~10% AgNO3 5g/滅菌精製水 100ml
口内炎をやく

外科・皮膚科

20% AgNO3 20g/滅菌精製水 100ml
陥入爪をやき切ったり、ドレーンが入ってた所の不良肉芽をやくのに用いる

泌尿器科(無菌操作)

0.5% AgNO3 0.15g/注射用水 30ml
腎に注入
検査科で滅菌ハルンカップをもらい無菌室で混ぜる

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