ある朝、アンギオ(血管造影)室の救急カートチェックをしていると…
ねぇねぇ、トロンビン液の置き場所って…ココじゃないよね?
冷所ですね♪
…じゃなくって。
内視鏡室に払い出すのを間違えてこちらに届けてしまったのでしょうか…?戻しておきますね
禁注射って書いてあるのに、血管造影室なんておかしいよね~??
と思ったのですが…
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薬局に戻ってきたらちょうど内視鏡室の看護師さんがいたから
「何故かアンギオ室に置いてあったトロンビンを、内視鏡室の冷蔵庫に戻しておきましたよー」って声をかけたら
「たまにアンギオ室で使うからって取りに来るのよねー」ですって。
なんと!?わざと置いてあったのですか。
あぁ、声かけてみてよかった。
するとそこに、たまたまいたペンタ君が
「循環器の先生が文献くれたんですけど、アンギオでトロンビン使うみたいですよー。まだ読んでないからよく分からないけど」
って。教えてくれました。
さらに翌日、循環器病棟のしまっちに「知ってる?」と聞いたら、ご存知でした。
わざわざ絵を描いて説明してくれました。(写真撮っておけばよかった!)
(しまっち、ステント治療時のトラネキサム酸でも動脈瘤の絵を描いて教えてくれたっけなぁ。
いつも有難うございます!)
そして隣に座ってたハマちゃんがネットで文献を検索してくれました。
(この薬剤部って皆さん親切なんです…)
↓文献貼っておきます。
医原性仮性動脈瘤に対する
バルーン閉塞下経皮的トロンビン注入療法の意義
えーとつまり、カテーテル検査(治療)のあと穿刺部合併症として仮性動脈瘤ができることがあるんですね。
カテーテルを抜いたあとの血管の、コブ…血だまり。
これが自然消失の経過をたどることもあれば、破裂して危険なこともあると。
圧迫止血法もあるが痛みを訴える例が多いし圧迫時間も長ーいので、積極的に血栓化を図る方法としてトロンビンを注入する方法を行うそうです。しかしトロンビンの血管内への投与は禁忌なので、エコーで確認しながらバルーンで血流を遮断した状態で、仮性動脈瘤内(=血管外スペース)に、体表から注入する…という方法なんですね。
もちろん保険適応外でございます…。
水戸済生会総合病院の専門研修ブログに分かりやすく説明されていました!
仮性動脈瘤とはどんなものか
仮性動脈瘤の対応
ふぅー。
また一つ、勉強になりました。
ちなみにトロンビン液の内服方法の復習記事はコチラです。