先日、アプレピタント併用時はデキサメタゾンは減量だとお勉強しました(こちら)。その時は6A→4Aでした。今日もまた似たような処方をみて「あれ?」と思ったのでアビーに聞きました。
day2~4 アプレピタント
day2 シスプラチン、アロキシ、デカドロン6A
day3~4 デカドロン5A
アプレピタント併用でもデキサメタゾン6Aもいくの?
シスプラチンは高度の催吐リスクがあるからですよ。
おぉ!なるほど。
シスプラチンは催吐頻度が高い(>90%)
催吐リスク分類表から、当院でよくみる抗がん剤をピックアップするとこんな感じかな…。
分類 | 薬剤 |
高度(催吐性リスク) 催吐頻度>90% | シスプラチン |
中等度 催吐頻度30~90% | イリノテカン オキサリプラチン |
軽度 催吐頻度10~30% | ゲムシタビン ドセタキセル |
最小度 催吐頻度<10% | セツキシマブ ニボルマブ パニツムマブ ベバシズマブ ペムブロリズマブ |
1)高度リスク
がん診療ガイドライン 制吐療法
NK1受容体拮抗薬であるアプレピタント125 mg 経口投与2)もしくはホスアプレピタント150 mg 静脈内投与と5-HT3受容体拮抗薬およびデキサメタゾン9.9 mg 静注(12 mg 経口)の3 剤併用が推奨される。第1 世代の5-HT3受容体拮抗薬とデキサメタゾンの2 剤併用に比べ,アプレピタントを加えた3 剤を併用することで制吐作用の著しい改善が示されている3)~5)。第1 世代の5-HT3受容体拮抗薬(→CQ4 参照)は,単剤間の直接比較およびデキサメタゾン併用下での比較において,薬剤間またその投与経路によって効果に大きな差はなく6)~8),用量や投与回数の影響を受けないことから9)~12),抗がん薬投与開始前に必要量を単回投与とする。第2 世代5-HT3受容体拮抗薬のパロノセトロンは,単剤間の直接比較およびデキサメタゾン併用下での比較において,急性嘔吐の予防効果は他薬剤と同等であるが,遅発性嘔吐の予防において優れている13)14)(→CQ3 参照)。デキサメタゾンの用量(→CQ5 参照)については,第1 世代の5-HT3受容体拮抗薬との2 剤併用では13.2~16.5 mg を静注(16~20 mg を経口)とされてきたが,アプレピタントとの併用では,アプレピタントがCYP3A4 を阻害することによりデキサメタゾンの濃度-時間曲線下面積(area under the concentration-time curve; AUC)が増加するため,3 剤併用では9.9 mg 静注(12 mg 経口)に減量する。
高催吐リスクの場合は、元々がデキサメタゾン(1.65㎎)8A~10Aいくようなところを減量して6Aになっていたんですね。
納得しました~。
アビー有難うございました。
*当院の薬剤部の方へ*
ちなみにday3~4のデカドロン5Aというのは届け出用紙には書いてないけど(前日準備の必要がないため)、電子カルテ内のプロトコールにはちゃんと載っていますので、処方に当たったら普通に調剤して下さい。