ある日の看護師さんからの電話です。
看護師「もしもし、ハンプって、注射用水で溶解ですよね?違うもので溶いてしまいました!」
しらたま「はいはい。薬剤部から渡したハンプなら5%ブドウ糖液で溶いたんですよね?大丈夫ですよ。」
看護師さん、大分焦ったような声での問い合わせでした。本か何かで読んだのでしょうかね?注射用水で溶くべきということをご存知でした。そして使い慣れていない看護師さんだったのでしょうか。いつも5%ブドウ糖液で直接溶解の指示なのに。
添付文書「 本剤は注射用水5mlに溶解し、必要に応じて生食または5%ブドウ糖液で希釈し… 」
本来はこの注射用水5mlで溶いたときに浸透圧が1になるから、そのあとで補液に希釈する仕様になってるのね。でも現場では5%ブドウ糖液で直接溶解しています(浸透圧が高くなるけどまぁ大丈夫)。
生食での直接溶解は、塩析※を起こすので×
※水溶液に他の物質(主に無機塩類)を加え、さきに溶けている物質を析出させること。
↑これ、子どもが児童館でやってくる「廃油から石鹸作り」で利用する現象ね。
豆腐作りも塩析を利用してるんだって。
塩析…見てみたいなぁ。
というわけで、やっちゃった!
期待に反して見た目変わらず~残念。
もっと塩を入れたら沈殿したかな?
でも、塩析で成分が析出してしまうので、配合変化表で白濁や含量低下が多かったことに納得しました⭐︎
ヘパリンでも短時間で白濁するから同じルートは避けてくださいね(ヘパフラッシュも不可)。