クレメジン食直前の処方

こちらの持参薬処方を監査していて…あれぇ？
クレメジンはいつも食間投与なのに…。
食直前でいいの⁈

私、今までずーっと食間投与でなければならないと、思い込んでいました。
ですので、添付文書を見てびっくりしました。

通常、成人に1日６ｇを3回に分割し、経口投与する。

クレメジン添付文書より

あ、あれ…？
食事とのタイミングには触れていませんね(^^;

田辺三菱製薬のHPを見たら、きちんと書かれていました。↓

食事の30分前の服用と30分後の服用との間に、血清クレアチニン値の上昇抑制効果、尿毒症症状改善効果、累積透析導入率の有意な差は認められなかった¹⁾、という報告があります。
ただし、食後に他剤を服用している場合には、目安として、他剤服用後30分から1時間、間隔をとってクレメジンを服用して頂きたいと考えます。

田辺三菱製薬　Q＆A

つまり、他に薬を飲んでいなければ、クレメジンはいつ飲んでもOKなんですね。

この患者さんはたしか、他の薬を食後に飲んでいたんだったかな？
その場合も食事をはさんで30分から1時間の間が空くわけだから、クレメジン食直前で問題ないんですね。勉強になりました～。

（↑私の疑問を代わりに調べてくれたユウユウちゃん、有難うございました。）

クレメジン発売当初の勉強会で「1回服用量の2ｇで、テニスコート数面分（10面分だったっけ？）にあたる表面積の穴があり、それで尿毒素を吸着するんだ」ということで大層驚いたのを覚えています。
それじゃ食事と混ざったら穴塞いでダメなんじゃ？と思ったものですが…ねぇ。

ちなみに、栄養の吸収に関してはこれまたQ＆Aに載っていました↓

これまでにクレメジン6g／日を服用することにより栄養障害や身体の恒常性を損ねるといった報告はありません。しかし、本剤は吸着剤であることを考慮して、特に長期投与の際には、全身状態等に注意してください¹⁾。

栄養への影響について下記のように報告されています。
1．ビタミン
・ビタミンAにやや低下傾向があるもののビタミンDの変化は認められなかった²⁾。
・ビタミンB₁₂および25-水酸化ビタミンDは正常域内であった³⁾。
・ビタミンDおよびビタミンKの変化は認められなかった⁴⁾。

2．ホルモン
・T₃、T₄、PTHの変化は認められなかった²⁾。

3．蛋白
・アルブミン、プレアルブミンの変化は認められなかった⁴⁾。

田辺三菱製薬　Q＆A

あんまり問題ない、と。