外来中のT先生「もしもし、あのさぁ〜、利尿薬で降圧にも使える薬って何だっけ?」
「?フロセミドとか〜…(高血圧の適応なら)セララとか?」
T先生「あー、それ!ありがとう」
「カリウムは高くないですか?」
T先生「むしろ低いから大丈夫!」
…って電話を切ったあとで、係長に同じことを聞いてみると
「トリクロルメチアジドとかですかね。セララって利尿(の適応)ありましたっけ?」と。添付文書を読んでみると、あれ?利尿効果について触れていない!ガーーン…私の中でセララはK保持性利尿薬のスピロノラクトンとほぼ同じだったのに、ダメなの?というわけで、ちょっと調べてみました。↓
高血圧ガイドラインをみるとサイアザイド系利尿薬が使われるみたい!うちだと係長が言ってたトリクロルメチアジドだ。そうだ、配合剤もヒドロクロロチアジドが少量配合されてるのがあるもんね…。
そしてループ利尿薬だとフロセミドには高血圧の適応あるけど、アゾセミドには無いや!
セララは利尿薬とは別にMR拮抗薬として主に治療抵抗性高血圧に対する4剤目としての位置付けになっている。添付文書をみると利尿には言及されていないようだけど…スピロノラクトンと同じ抗アルドステロン性利尿薬だよね?利尿効果はあるはずだけど、適応はない、よね。
もう一回先生とお話してみよう⭐︎
「もしもし先生、さきほどのお話ですが、やっぱりセララよりトリクロルメチアジドの方がいいかも…」
T先生「えっ、セララじゃダメなの?」
「ダメではないんですけど…ちゃんと利尿と降圧の適応があるトリクロルメチアジドの方がよかったかなと思って。セララもスピロノラクトンと同じだから利尿もあるとは思うんですけど添付文書に書かれてないので…(高血圧ガイドラインでも先にトリクロルメチアジドだし)もにょもにょ…」
T先生「さっきの患者さんは降圧メインだから大丈夫!利尿はそんなにいいよ。ところでトリクロルメチアジドって先発名なぁに?」
「(なんだっけ…錠剤の姿は浮かぶのに名前が出てこない)」係長〜(汗) 「あ、フルイトランです!」
T先生「あ、聞いたことある!ありがとう♪」
さて…なんかまたお話してるうちにセララでもあながち間違いでもなかった?と思えてきました。自分の勉強不足も恥ずかしいけど、外科の先生はやっぱり高血圧ガイドラインとかあまりご覧にならないのかなぁ?そして電話で言葉少なに質問されるので、意図を間違えたり勘違いしたりウロ覚えで適当に答えちゃったり。患者の背景や、常用薬も分からないから余計に難しい。